Deadlines
届出の期限早見表——どの届出が、いつまでか
許可を受けたあとの届出を、期限ごとに仕分けた一覧です。条文番号を添えてあるので、手引きと食い違ったときは条文で確かめられます。
届出の期限は2週間以内・30日以内・4か月以内の3種類です。2週間と30日はその出来事が起きた日から、4か月は事業年度が終わった日から数えます。これとは別に、許可の更新は有効期間が終わる日の30日前までに申請します。法11条1項〜5項の届出を出さなければ6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(法50条1項2号・3号)。廃業等の届出(法12条)を怠ると10万円以下の過料です(法55条1号)。ひとつの出来事で期限の違う届出が重なったら、短いほうに合わせます。
早見表——期限ごとの届出一覧
法令で決まっている期限を、短い順に並べました。「根拠」の欄は建設業法(法)と建設業法施行規則(規則)の条番号です。
| 期限 | 何が起きたら・何を出すか | 根拠 | 数え始め |
|---|---|---|---|
| 2週間以内 | 営業所技術者が欠けて、代わりの人がいる(新しい人の証明書を出す) | 法11条4項 | 欠けた日 |
| 2週間以内 | 許可の基準(常勤役員等・営業所技術者)を満たさなくなった/欠格要件に当たるようになった | 法11条5項(様式第22号の3・規則10条の2) | その事実の日 |
| 2週間以内 | 常勤役員等がその地位を離れ、代わりの人・体制がある | 規則7条の2第2項 | 離れた日 |
| 2週間以内 | 常勤役員等・営業所技術者として証明された人の氏名が変わった | 規則7条の2第1項 | 変わった日 |
| 2週間以内 | 新しく令3条使用人(支配人・支店長など)になった人がいる | 規則8条(様式第22号の2) | 就任の日 |
| 2週間以内 | 健康保険等の加入状況(様式第7号の3)が変わった。従業員数だけの変更は除く | 規則7条の2第3項 | 変わった日 |
| 30日以内 | 商号、営業所の名称・所在地(新設・廃止を含む)、資本金、役員等の氏名、個人の氏名・支配人、営業所技術者の氏名 | 法11条1項(法5条1号〜5号。様式第22号の2・規則9条) | 変更の日 |
| 30日以内 | 廃業・死亡・合併による消滅・解散・一部の業種の廃止 | 法12条(様式第22号の4・規則10条の3) | その事実の日 |
| 4か月以内 | 決算変更届(工事経歴書・工事施工金額・財務諸表・納税証明書など) | 法11条2項、規則10条1項 | 事業年度終了の日 |
| 4か月以内 | 期中に変わっていたら:定款、令3条使用人の一覧表(様式第11号)、使用人数(様式第4号) | 法11条3項、規則10条2項 | 事業年度終了の日 |
| 4か月以内 | 様式第7号の3の記載のうち従業員数だけに変更があったとき | 規則7条の2第3項(括弧内) | 事業年度終了の日 |
| 満了の30日前まで | 許可の更新の申請(許可は5年ごと) | 法3条3項、規則5条 | 有効期間の満了日から逆算 |
経審の結果に不服があるときの再審査の申立ては、通知を受けた日から30日以内です(規則20条1項)。経審の結果で公共工事の契約を結べる範囲は「契約日の1年7か月前の日の直後の事業年度終了の日以降に受けた経審」です(規則18条の2)。経営状況分析と経審の申請の時期・方法は、分析機関と許可行政庁が定めて公示することが省令で決まっています(規則19条の2・19条の6)。具体的な日程は各機関の公示で確かめます。
2週間以内——許可の要件になっている人が動いたとき
2週間の箱に入るのは、許可を支えている人にかかわる届出です。建設業の許可は、経営業務を適正に管理できる体制(法7条1号)と、営業所ごとの営業所技術者(同2号)を前提にしています。そこが揺らぐと許可の土台に響くので、期限がいちばん短く設定されています。
「代わりがいる」か「いない」かで条文が分かれます
| 代わりの人がいる | 代わりの人がいない | |
|---|---|---|
| 条文 | 法11条4項(営業所技術者)/規則7条の2第2項(常勤役員等) | 法11条5項 |
| すること | 新しい人の証明書類を提出 | 基準を満たさなくなったことを届出 |
| 主な様式 | 様式第8号(営業所技術者等証明書)・様式第7号など | 様式第22号の3 |
| 罰則 | 法11条4項の提出は法50条1項2号。規則7条の2第2項の提出は法50条の各号に挙がっていない | 法50条1項3号 |
「後任が見つからないから、届けようがない」と考えるのは誤りです。法11条5項は、基準を満たさなくなったこと自体を2週間以内に届け出るよう求めています。欠格要件(法8条1号・7号〜14号)に当たるようになったときも、同じ条文で自分から届け出ます。
社会保険の届出は2週間と4か月に分かれます
様式第7号の3(健康保険等の加入状況)は、加入・脱退や事業所番号の変更なら2週間以内で、変更を証明する書類も付けます。変わったのが従業員数だけなら、決算のあと4か月以内でよく、証明書類の添付も条文上は求められていません(規則7条の2第3項)。
30日以内——会社の登録事項が変わったとき・廃業
30日の箱には、許可申請書に書いた会社の登録事項の変更が入ります。条文が対象にしているのは、法5条の1号から5号までの5項目です。
「許可に係る建設業者は、第五条第一号から第五号までに掲げる事項について変更があつたときは、国土交通省令の定めるところにより、三十日以内に、その旨の変更届出書を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。」
- 1号 商号または名称
- 2号 営業所の名称と所在地(新設・廃止も含む)
- 3号 資本金額、役員等の氏名
- 4号 個人事業主の氏名、支配人の氏名
- 5号 営業所技術者の氏名(ただし人の入れ替わりは2週間の条文もかかるので、2週間で動きます)
法5条6号の「許可を受けようとする建設業」は入っていません。業種を増やすのは届出ではなく業種追加の許可申請です。
電話番号・郵便番号の変更や、既に持っている業種の範囲で営業所ごとの業種を増減する変更は、法5条1号〜5号にそのままの形では出てきません。それでも東京都・大阪府・神奈川県の手引きは30日以内の欄に載せています。様式に記入欄があるためで、手引きに従って30日以内に出しておけば問題ありません。
廃業等の届出も30日
法12条の届出は、届け出る人が会社とは限りません。死亡なら相続人、合併で消滅したなら元の役員、破産による解散なら破産管財人、それ以外の解散なら清算人が出します。業種の全部または一部をやめたときは、元の事業主か法人の役員です。
4か月以内——毎事業年度が終わったあと
4か月の箱は決算の届出です。毎年必ず出すものと、変わったときだけ一緒に出すものがあります。
| 区分 | 出すもの | 根拠 |
|---|---|---|
| 毎年必ず | 工事経歴書(様式第2号)、様式第3号の工事施工金額(直前3年分)、財務諸表、事業報告書(特例有限会社を除く株式会社)、納税証明書 | 法11条2項、規則10条1項 |
| 変わったときだけ | 使用人数(様式第4号)、令3条使用人の一覧表(様式第11号)、定款 | 法11条3項、規則10条2項 |
| 変わったときだけ | 健康保険等の加入状況(様式第7号の3)で従業員数だけが変わった場合 | 規則7条の2第3項 |
決算日ごとの期限は次のとおりです。
| 決算日 | 提出期限 |
|---|---|
| 3月31日 | 7月31日 |
| 6月30日 | 10月31日 |
| 9月30日 | 翌年1月31日 |
| 12月31日 | 翌年4月30日 |
更新——満了日の30日前まで
許可の有効期間は5年です(法3条3項)。更新の申請だけは「〜以内」ではなく「満了日の30日前まで」という逆算の期限になっています(規則5条)。
- 期限内に申請しておけば、満了日までに結果が出なくても、処分が出るまでは今の許可が有効です(法3条4項)
- 更新されたときの新しい5年は、前の満了日の翌日から数えます(法3条5項)。審査が延びても得にはなりません
- 受付の始まりは行政庁が決めます。東京都は満了の2か月前から、大阪府は3か月前からです(各手引き、2026年9月時点)
未提出の決算変更届や変更届があると、更新の申請が受け付けられない運用の行政庁があります。満了の30日前に5年分を作り始めても間に合わないことがあります。くわしくは許可の更新へ。
いつから数えるか——起算日と数え方
期限は3つのかたちで数え方が違います。
| かたち | 起点 | 予定表に書けるか |
|---|---|---|
| 出来事から2週間・30日 | その事実が起きた日(就任日、移転日、退任日など) | 書けない。起きたらすぐ動く |
| 事業年度終了から4か月 | 決算日 | 書ける。毎年同じ日 |
| 満了の30日前まで | 許可の有効期間の満了日から逆算 | 書ける。5年に1度 |
「事実の日」は登記の日ではありません
30日や2週間は、変更が実際に起きた日から数えます。関東地方整備局の記載例も、変更届出書の変更年月日には事実のあった日を書くよう注記しています。商号の変更や増資では、登記が終わるのを待っていると30日を過ぎてしまうことがあります。間に合いそうにないときは、先に窓口に相談してください。
期間の計算は民法のルール
初日は数えず、翌日を1日目とします(民法140条)。月で決めた期間は、起算日に応当する日の前日で終わります(民法143条2項)。3月31日決算なら4月1日が1日目、8月1日の前日の7月31日が4か月の最終日です。
議決権の100分の5以上を持つ株主が変わったときの届出について、許可事務ガイドラインは変更を確知してから30日以内に出すよう指導するとしています。株の移動は会社が気づかないこともあるためです。
一つの出来事で、期限の違う届出が同時に起きる
届出は出来事ごとに1枚とは限りません。ひとつの出来事が、2週間の届出と30日の届出を同時に起こすことがよくあります。
例1 支店(従たる営業所)を新しく開いた
| 一緒に発生する届出 | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 営業所の新設(変更届出書 第一面・第二面) | 30日以内 | 法11条1項 |
| 支店長(令3条使用人)の就任 | 2週間以内 | 規則8条 |
| その支店の営業所技術者 | 2週間以内 | 法11条4項ほか |
| 健康保険等の加入状況 | 2週間以内 | 規則7条の2第3項 |
例2 取締役が退任した。その人は常勤役員等でもあった
- 役員等の変更 → 30日以内(法11条1項)
- 常勤役員等の交代、または基準を満たさなくなった旨の届出 → 2週間以内(規則7条の2第2項/法11条5項)
例3 増資をして、定款も変えた
- 資本金の変更 → 30日以内(法11条1項)
- 変わった定款 → 次の決算のあと4か月以内(法11条3項)
出来事が起きたら、まず2週間の届出が混ざっていないかを確かめてください。混ざっていれば、30日の届出もまとめて2週間以内に出してしまうのがいちばん確実です。30日の届出だけ先に済ませても差し支えありませんが、その逆は期限切れを招きます。
出さない場合の罰則と、その前に止まるもの
「次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
二 第十一条第一項から第四項まで(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出したとき。
三 第十一条第五項(第十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出をしなかつたとき。」
| 届出 | 条文 | 罰則の号 |
|---|---|---|
| 30日以内の変更届 | 法11条1項 | 50条1項2号 |
| 決算変更届 | 法11条2項 | 50条1項2号 |
| 4か月以内の変更届 | 法11条3項 | 50条1項2号 |
| 営業所技術者の後任 | 法11条4項 | 50条1項2号 |
| 基準を満たさなくなった旨・欠格要件 | 法11条5項 | 50条1項3号 |
- 罰則の範囲……法50条1項2号・3号が挙げているのは法11条1項〜5項の届出です。常勤役員等の交代など規則7条の2の届出や、令3条使用人の就任(規則8条)の届出は、50条の各号に直接は挙がっていません。期限があることに変わりはないので、出し忘れないでください
- 廃業等の届出(法12条)……怠ると10万円以下の過料です(法55条1号)
- 両罰規定……違反した担当者のほか、会社にも罰金が科されます(法53条2号)
- 拘禁刑……令和7年6月1日の刑法改正で懲役・禁錮が一本化された呼び名です。古い手引きには「懲役」と残っているものがあります
- 罰金が確定すると……法8条8号の欠格要件に当たり、許可は取り消されます(法29条1項2号)。ただし届出の遅れについて、国土交通省の監督処分の基準は指示処分を原則にしています
実際に先に困るのは、更新・業種追加・経審などの手続きが進まなくなることです。大阪府の変更等届出の手引きは、届出をしていないと更新や業種追加、経審の申請ができなくなると注意しています。